平成16年の破産法改正(免責関係)について
新破産法では、自己破産の場合には、原則として破産手続開始の申立てと同時に免責許可の申立てもあったものとみなされることになりましたので、従来のように、別途改めて免責許可の申立てをする必要がなくなりました。
これによって、迅速な免責決定がなされることになりました。また、新破産法では、免責の調査は裁判所が相当な方法で行えることになりました。
従来は、免責の審理のための審尋期日を必ず開催することになっていましたので、これが破産管財人による調査などになればかなり合理化されます。
ただし、調査の実効性の確保のために、破産者側はこの免責の調査に協力する義務を負うことになりました。
そして、破産手続が終了してから免責許可の決定が確定するまでの間の、破産債権の強制施行や国税滞納処分等が禁止されました。
また、すでに強制執行等がされている場合には、それを中止することとされました。これによって、破産者の経済的な再生がより実行的なものになったと思われます。
免責不許可事由と裁量免責について
旧法の免責不許可事由が整理されて、破産者の義務違反について具体的に規定されました。
また、過去に免責許可を受けた人が、再度免責を受けられる制限期間が10年から7年になりました。
さらに、裁判所の裁量での免責を認めることが明文化されました。
新たな非免責債権
次のようなものが、新たな非免責債権になりました。
■破産者が故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為にもとづく損害賠償請求権
■婚姻費用・養育費等の扶養義務にもとづく請求権 |